
同じ「チームビルディング」でも視点は異なる― 立場の違いから生まれる“すれ違い”を、構造から捉える ―
- 株式会社ベアラボ(所在地:東京都新宿区、代表取締役:滝井順子)は、同一企業において、一般職123名、管理職48名を対象に、チームビルディング研修をそれぞれ別日程で実施しました。
- 同じテーマでありながら、立場に応じて視点を変えて設計することで、組織内に生じやすい“意図のズレ”や“すれ違い”の構造が明らかになりました。
- 【背景】同じ「ビジョン」でも、見えている景色は違う
- 働き方や価値観の多様化が進む中、組織では「共通認識」や「対話の質」がこれまで以上に重要になっています。
- 一方で現場では、管理職は「方向性を示しているつもり」、一般職は「意図が見えない」「何を優先すべきかわからない」といった立場による受け取り方の違いが生じやすくなっています。
- 同じ“ビジョン”という言葉を使っていても、管理職は「どう示すか」「どう整えるか」を考え、一般職は「どう受け止めるか」「自分はどう動くべきか」に迷う。
- さらに、コミュニケーションエラーやハラスメントへの配慮、コンプライアンス意識の高まりにより、「伝え方」や「受け取り方」に慎重さが求められる時代です。その結果、意図を伝える側も、受け取る側も、どこか萎縮しやすい空気が生まれることもあります。
- 今回の研修は、こうしたズレを「関係性の問題」としてではなく、「立場と責任の違い」という構造から整理しました。
- 【現場に見えた課題】すれ違いは“意欲”ではなく“位置”の違い
- ■ 一般職向け研修で見えた声
- ワークやディスカッションを通じて日常業務を振り返る機会を設けました。
- 多く挙がったのは、
- ・ビジョンが見えているか否かで議論の質が変わる
- ・方向性がわからないと主体的に動きづらい
- ・目の前の業務に追われ、目的を意識できていなかった
- ・相談しにくい空気がある
- といった声でした。
- 思考特性(効き脳)を扱ったワークでは、「合わないのは性格の問題ではなく、構造や役割の違いかもしれない」という気づきもあり、思考特性は優劣ではなく“違い”として捉え、特性の組み合わせが人材力を生み、組織成果につながるという視点を共有しました。
- 異なる特性を持つメンバーが互いを理解し合うことで、対立ではなく補完関係が生まれ、チームとしての力が高まります。
- また、フォロワーシップの観点では、「上司任せにするのではなく、自分の立場で何ができるかを考える必要がある」という声も挙がり、フォロワーシップは受け身ではなく、「貢献」と「提言」の両立が求められるという理解が広がりました。
- ■ 管理職向け研修で見えた声
- 一方、管理職向け研修では、
- ・ビジョンや目的を明確にし、言語化して伝える責任
- ・忙しさが“声を出しにくい空気”を生んでいる可能性
- ・自分の態度や固定観念が影響しているかもしれない
- ・部下と横並びで方向修正していく姿勢
- といった内省的な意見が多く見られました。
- 管理職では「どのようにビジョンを示すか」「どう環境を整えるか」という視点が強く表れていました。あわせて、外的動機付けから内的動機付けへという“マネジメントOSの変化”についても整理しました。
- コミュニケーションエラーやハラスメントに関する事例検討では、悪意の有無にかかわらず、不機嫌や沈黙、距離感といった日常の態度が「声を出しにくい空気」を生み出す可能性についても共有されました。コンプライアンスは制度だけでなく、日常の関わりの積み重ねによって形づくられるという認識が改めて確認されました。
- 【研修概要】立場別に設計した体験型プログラム
- 研修全体は、「人材力・組織力・関係力」の3要素から成る“成果の出るチームの方程式”を土台に構成しています。
- 本研修では、
- ・組織に必要なコミュニケーション
- ・ビジョンと目的・目標の関係整理
- ・思考特性(効き脳)の理解
- ・リーダーシップとフォロワーシップ
- ・コミュニケーションエラーとハラスメント(コンプライアンス視点)
- ・時代の変化とマネジメントOSの転換
- を主なテーマとして実施。
- 講義中心ではなく、個人ワークとグループディスカッションを多く取り入れた参加型形式で構成しています。
- 演習では、個人での意思決定とチームでの合意形成の違いを体験し、役割の出方や空気の変化、思考特性の影響を可視化しました。
- 同じテーマを扱いながら、一般職では「自分の関わり方」に焦点を当て、管理職では「環境の整え方」に焦点を当てる設計としています。
- アンケートでは、一般職の96%、管理職は全員が「役立つ」と回答し、職場の空気やコミュニケーションへの気づきについても双方で高い満足度が示されました。
- 【考察】チームは“仲の良さ”だけでは動かない
- 今回の研修で見えてきたのは、すれ違いは意欲の不足ではなく、「責任の位置」の違いから生じているということです。
- 一般職は「どう動けばよいのか」に迷い、管理職は「どう示せばよいのか」に葛藤する。
- 双方が同時に学ぶことで、初めてそのズレが言語化されます。
- ベアラボでは、チームビルディングを単なる関係性改善ではなく、「構造の整理」として捉えています。立場を越えた共通言語を育て、役割を接続していくことが、成果につながるチームづくりの土台になると考えています。
- 【今後の展開】立場を越えた“接続”を生み出す支援へ
- 今回の取り組みを通じて、立場の違いそのものが問題なのではなく、それを言語化せずに放置することがすれ違いを生む要因であることが明らかになりました。
- 環境や時代が変化する中で、チームの空気や対話の質も揺らぎます。だからこそ、定期的に立ち止まり、構造を整理し直す機会が必要です。
- 株式会社ベアラボは今後も、立場を越えた理解と接続を生み出すチームビルディングを通じて、対話が循環する組織づくりを支援してまいります。