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忙しさはどこで生まれるのか?― 現場支援で見えてきた“過重労働の3つの構造”と個の力を活かす職場づくり ―

  • 忙しさはどこで生まれるのか?
  • ― 現場支援で見えてきた“過重労働の3つの構造”と個の力を活かす職場づくり ―
  • 11月は、厚生労働省が推進する「過重労働解消キャンペーン」月間です。
  • 働き方改革により残業時間は減少傾向にある一方、現場では「限られた時間で同じ成果を求められる」という“圧縮された忙しさ”が広がっています。
  • 株式会社ベアラボ(所在地:東京都新宿区、代表取締役:滝井順子)は、管理職研修・業務整理支援・ラインケア支援など、現場に深く入り込む伴走型の研修を多数実施してきました。その中で、忙しさは個人の頑張りではなく“組織の構造”から生まれていることが繰り返し見えてきました。
  • こうした現場の知見をもとに、過重労働につながる背景を“3つの構造”として整理し、レポートにまとめました。

  • ■ 過重労働の背景にある“職場の構造”
  • 一見すると「仕事が多い」「人手が足りない」と見える状況でも、実際には次のような現象が重なり、忙しさが積み上がっていきます。
  • ・業務が特定の人に偏り、全体の進行に遅れが出やすくなる
  • ・些細な判断まで管理職に集まり、意思決定が滞りやすくなる
  • ・メンバー同士の状況が見えにくく、調整がうまく働かない
  • こうした状況は、業務の流れ・判断構造・関係性の見えにくさといった“構造の問題”に起因します。
  • 働き方改革によって時間が短くなり、多様な働き方が進むことで、この構造的なゆがみはより顕在化しています。
  • ベアラボが現場を観察した結果、過重労働につながる背景は以下の3つの側面から理解する必要があることがわかりました。

  • ① 業務プロセスの詰まり(業務改善の視点)
  • ・担当者が抱え込み、仕事が一部に集中する
  • ・優先順位が共有されず、緊急度がズレる
  • ・“今日でなくてもよい業務”に手を付けてしまう
  • 業務の属人化や優先順位の曖昧さが重なることで、仕事が偏り、タスクが滞留しやすくなります。
  • これは単なる業務量の問題ではなく、“業務の流れそのものが整っていないこと”による構造的な課題です。
  • ② 管理職の役割過多による“判断渋滞”(マネジメントの視点)
  • ・小さな判断でも管理職で止まる
  • ・調整業務が増え、本来の役割に集中できない
  • ・メンバーが自律的に判断しにくくなる
  • 管理職に判断・報告・確認が過度に集中し、意思決定が遅れることで、チーム全体のスピードと自律性が低下する構造が生まれています。
  • ③ 関係性のすれ違い(メンタルヘルスケアの視点)
  • ・忙しさの感じ方や負担の大きさにズレが生まれる
  • ・心理的負荷が蓄積しても気づかれにくい
  • ・状態の変化が表面化しないまま業務が進む
  • 働き方の多様化も起因し、互いの状況や心身の変化に気づきにくくなり、“忙しさのズレ”が蓄積しやすくなっています。
  • 心の健康づくりはラインケアに加え、セルフケア、事業場内産業保健スタッフ、事業場外資源の“4つのケア”の連動が不可欠です。

  • ■ 現場で観察された“構造改善による変化”
  • ある企業では、慢性的な残業と心身の不調が見られる従業員が増え、管理職も現場の忙しさを把握しきれていませんでした。
  • そこで、業務の棚卸しや優先順位づけ、役割再調整を実施し、管理職とメンバーが対話しながら負荷の偏りを可視化したところ、徐々に業務の偏りや属人化が改善していきました。
  • さらに、組織に根付いていた「残っている=頑張っている」という空気が薄れ、必要がなければ早く帰ることが自然に受け入れられるようになり、管理職の意識も“長時間働くことを前提とした評価”から“健康的に成果を出す働き方を重視する姿勢”へと変化しました。
  • 忙しさを“個人の頑張り不足”ではなく、組織の構造の問題として捉え直すことが改善の第一歩であることが示された事例です。

  • ■ 忙しさに向き合うための視点とベアラボの取り組み
  • 過重労働は「仕事の量」だけでなく、業務プロセス、判断構造、関係性とケア体制といった構造のゆがみによって生まれます。
  • 限られた時間でも無理なく成果を出すためには、こうした構造を見える化し、改善につなげる視点が欠かせません。株式会社ベアラボでは、こうした課題に向き合うため、以下のような研修・支援などを提供しています。
  • ・業務改善研修
  • ・判断力、段取り力研修
  • ・管理職向けラインケア支援
  • ・メンタルヘルスケア研修(4つのケアの視点を含む)
  • これらの研修は、過重労働につながる“構造のほころび”に気づき、改善のヒントを得るきっかけとして活用することができます。

  • ■ 今後の展開
  • ベアラボでは今後も、「業務の流れ」「判断構造」「関係性とケア体制」といった構造的なゆがみに目を向けながら、業務整理・優先順位づけ、判断力強化、メンタルヘルスケアや対話促進など、組織の状況に応じた支援を続けていきます。
  • 多様な働き方が広がる中で、働く人と組織の双方が無理なく成果を出せる環境づくりを支援し、持続可能な働き方の実現に向けて取り組んでまいります。