ゲーミフィケーション研修・人材育成・研修・組織開発・採用支援・利き脳診断など人事コンサルティングならベアラボ

なぜ仕事は「できる人」に集中するのか?属人化を防ぐチームづくり

なぜ仕事は「できる人」に集中するのか?属人化を防ぐチームづくり

急ぎの仕事や重要な業務が発生したとき、「この人に任せれば安心」と、いつも同じ社員に依頼していませんか。

仕事の正確さやスピードを考えれば、経験豊富な社員に任せるのは自然な判断です。しかし、その状態が続くことで、特定の社員に負担が集中し、ほかのメンバーが経験を積む機会を失っているとしたら、どうでしょうか。

今回は、仕事ができる社員への業務集中を例に、属人化を防ぎ、チーム全体の力を高めるための業務の任せ方について考えてみたいと思います。

■ 「できる人」に任せ続けて、本当に大丈夫?

ある職場では、急ぎの仕事が発生するたびに、正確で仕事の早いAさんに依頼していました。

Aさんの残業は増えていますが、ほかのメンバーに頼もうとすると「まだ自分には難しい」と言われてしまいます。

このようなとき、管理職としてどう対応すればよいのでしょうか。

品質を優先してAさんに任せ続ける、全員に均等に仕事を割り振る、あるいはAさんに教育まで任せるなど、さまざまな方法が考えられます。

しかし、ここで大切なのは、業務を分解し、Aさんの負担を見ながら、ほかのメンバーにも段階的に任せていくことです。

全員に均等に配分することでも、経験の浅い社員に丸投げすることでもありません。

■ その場の最適な判断が、チームの悪循環を生む

急ぎの仕事を、確実に対応できる人に任せる。一つひとつを見れば、合理的な判断です。

しかし、それを繰り返すと、次のような悪循環が生まれます。

急ぎの仕事が発生するとAさんに依頼する。ほかのメンバーは経験を積む機会がないため、次の仕事も任せられない。そして、またAさんに仕事が集中する。

この状態が続くと、Aさんの負担が増えるだけでなく、特定の人しか対応できない「属人化」が進んでしまいます。

さらに、Aさんが休んだときに業務が止まるリスクもあります。

目の前の仕事を終わらせることだけでなく、次にその仕事を任せられる人を増やすことも、管理職の大切な役割です。

■ 仕事は「丸ごと」ではなく、分解して任せる

では、経験の浅いメンバーに仕事を任せるには、どうすればよいのでしょうか。

ポイントは、一つの仕事を丸ごと渡すのではなく、業務の内容や難易度に応じて分解することです。

例えば、これまでAさんがすべて担当していた業務について、定型的な作業はBさん、一定の判断が必要な部分はCさん、最終確認はAさんというように役割を分けます。

こうすることで、品質を確保しながら、ほかのメンバーにも経験を積んでもらうことができます。

また、仕事を任せる際には、次の3つを明確にしておくことが大切です。

  • 完成基準: どのような状態になれば完了なのか
  • 判断範囲: どこまで自分で判断してよいのか
  • 相談のタイミング: どの段階で確認・相談すればよいのか

これらが曖昧なままでは、任せたつもりでも、結果的に手戻りが発生してしまうことがあります。

仕事を任せるとは、単に担当者を変えることではなく、相手が取り組める状態を整えることでもあります。

■ 「その人しかできない仕事」を減らしていく

ベアラボの研修でも、業務改善やナレッジマネジメントの一環として、現在の業務を洗い出し、属人化している仕事を確認する演習を行っています。

例えば、「自分以外に対応できる人がいない」「マニュアルが古く、実際の手順と異なっている」「業務のノウハウを自分しか知らない」といった仕事です。

こうした業務を整理し、優先順位をつけながら、少しずつほかのメンバーへ引き継いでいく方法を考えます。

すべての仕事を誰もが同じようにできる必要はありません。しかし、特定の社員が不在になると業務が止まってしまう状態は、できるだけ減らしておきたいものです。

そのためには、副担当を設けたり、実際に使えるマニュアルを整備したりするなど、日頃から準備しておくことが大切です。

■ 個人の頑張りに頼らず、チームで成果を出すために

仕事ができる社員に業務が集中するのは、その人への信頼や期待があるからこそかもしれません。

しかし、その頑張りだけに頼っていては、本人の負担が増える一方で、チーム全体の力を高めることは難しくなります。

管理職に求められるのは、目の前の業務を円滑に進めることに加え、メンバーの育成や権限委譲を進めていくことです。

企業としても、管理職の成果を本人の処理量だけで評価するのではなく、部下の育成や業務の引き継ぎといった取り組みも評価していくことが、仕組みづくりの一つになります。

大切なのは、「誰に任せれば早く終わるか」だけでなく、「どうすればチームでできるようになるか」を考えること。

特定の社員の頑張りによって成り立っている仕事はないか、そして、その仕事をほかのメンバーにも任せられる状態になっているか。

この機会に、自分たちの職場の業務分担を見直してみてはいかがでしょうか。