ゲーミフィケーション研修・人材育成・研修・組織開発・採用支援・利き脳診断など人事コンサルティングならベアラボ

カスハラ対策が義務化!現場を守るために企業が考えたいこと

カスハラ対策が義務化!現場を守るために企業が考えたいこと

2026年10月1日から、カスタマーハラスメント(カスハラ)の防止措置が事業主に義務付けられました。

企業としての対策が求められる一方で、実際に現場で問題が起きたとき、「どこまで対応すればよいのか」「いつ組織として対応すべきなのか」と迷うこともあるのではないでしょうか。

今回は、顧客対応に悩む部下からの相談を例に、管理職に求められる判断と、従業員を守るための組織づくりについて考えてみたいと思います。

■ 担当者を替えれば、解決する?

ある職場で、同じお客様から3日連続で長時間の電話が続いていました。

すでに会社として応じられないと回答した要求について、繰り返し対応を求められ、さらに「誠意を見せろ」「上を出せ」といった発言も続いています。

そして、対応していた部下から「このお客様の電話に対応するのが怖い」と相談がありました。

このようなとき、管理職としてどう対応すればよいのでしょうか。

上司が代わったり、経験豊富な担当者に引き継いだりすることも、一時的な対応としては必要かもしれません。

しかし、担当者が変わっても同じ対応を繰り返しているだけでは、根本的な解決にはつながりません。

大切なのは、「次は誰が対応するか」ではなく、「会社として今後どう対応するか」を判断することです。

■ カスハラかどうか、何を基準に判断する?

カスタマーハラスメントは、次の3つの要素をすべて満たすかどうかで判断します。

  • ①顧客等からの言動であること
  • ②社会通念上、許容される範囲を超えた言動であること
  • ③労働者の就業環境が害されること

    もちろん、顧客からの苦情や要望がすべてカスハラに該当するわけではありません。言動の内容や経緯、頻度、継続性、従業員への影響などを総合的に確認する必要があります。

    今回のケースでは、長時間の電話が繰り返され、すでに回答した要求が続いていることに加え、担当者自身が「怖い」と感じています。

    カスハラかどうかの判断が確定するまで待つのではなく、まずは従業員を守るための対応を考えることが重要です。

    ■ 「怖い」という声を、組織対応へのサインに

    • 部下から「もう対応するのが怖い」と相談されたとき、管理職がまず意識したいのは、一人で対応を続けさせないことです。
    • 本人の状態や対応状況を確認し、必要に応じて担当を交代する、複数名で対応する、通話記録を確認するなど、現場を守るための対応を取ります。

    そのうえで、これまでの経緯や発言内容を記録し、上位者へ共有して、組織としての判断につなげていきます。

    • ここで気をつけたいのは、管理職自身がすべてを抱え込まないことです。
    • 部下を守ろうとするあまり、今度は管理職が一人で対応し続けるのでは、問題の本質は変わりません。

    ■ 現場を守るのは、個人の対応力ではなく仕組み

    カスハラ対策では、企業としてあらかじめ対応の基準やルールを決めておくことが大切です。

    例えば、個人対応から組織対応へ切り替える基準、相談先や判断する人、録音や複数名対応などの手段、対応後のフォローまで、現場で迷わず動ける仕組みを整えておく必要があります。

    また、「お客様第一」という意識から、従業員が無理をして対応を続けてしまうこともあります。

    しかし、お客様を大切にすることと、従業員が我慢して対応し続けることは別の話です。

    「困った」「怖い」と感じた段階で相談できること、そして対応が終わったあとも本人の状態を確認することが、従業員を守ることにつながります。

    ■ 事例から考え、現場で動ける組織へ

    ベアラボでも、クライアント企業から顧客対応について相談を受けたことがあります。

    ある担当者が1時間以上対応したあと、別の担当者に交代したものの、翌日にはまた同じ要求が繰り返されるというケースでした。

    • このような事例を研修で取り上げ、「自分たちの職場だったらどう対応するか」を考えていただいたことがあります。
    • 実際に意見を交わしてみると、同じ状況でも人によって判断や対応方法が異なることがわかります。

    だからこそ、事前に話し合い、どの段階で組織対応に切り替えるのか、どのような対応を取るのか、共通認識を持っておくことが大切です。

    ベアラボでは、実際の事例や職場で起こり得るケースをもとに、ペアやグループで意見を交わしながら、判断や対応について考える研修を大切にしています。

    大切なのは、個人の経験や我慢に頼るのではなく、組織として従業員を守り、現場で行動できる仕組みをつくること。

    今回の法改正をきっかけに、カスハラ対策が「ルールを整えること」で終わっていないか、実際に現場で使えるものになっているかを、改めて見直してみてはいかがでしょうか。