
内定式はゴールではない。入社までの半年間、企業に求められる内定者フォローとは
ー 内定辞退防止だけでなく、相互理解と信頼関係を育む入社前の取り組み ー
10月に入り、多くの企業で2027年卒業予定者の内定式が行われました。内定式は、学生にとって入社への気持ちを新たにする大切な節目です。しかし、実際の入社までは約半年の期間があり、その間の企業との関わり方も重要になります。
組織開発・人材開発を手がける株式会社ベアラボ(代表取締役:滝井順子)は、内定式後のフォローを、内定辞退の防止だけでなく、企業と内定者が互いを理解し、安心して入社を迎えるための機会として捉えています。
■ 内定式後も続く、学生の期待と不安
株式会社学情が2026年9月に公表した「27卒内定式調査」では、内定式を「自分がその企業に入社する意思を固める場」と捉える学生が43.2%で最多となりました。次いで、「同期や社員とのつながりをつくる場」「企業の雰囲気や社員について知る場」などが挙げられています。
内定式を終えたからといって、すべての学生が入社への不安を解消できているわけではありません。内定承諾後や内定式後であっても、仕事内容や働く環境への不安、企業との認識のずれなどから、入社を再検討する可能性はあります。
だからこそ、入社までの期間を単なる待機期間ではなく、内定者が企業や仕事への理解を深め、企業もまた内定者一人ひとりを知る時間として活用することが大切です。
■ 学生の声から考える、内定者フォローのあり方
新卒採用における学生の声に目を向けると、企業とのコミュニケーションや入社後の環境について、さまざまな期待や不安が見えてきます。
- 【安心感や信頼につながる声】
- ・自分の経験や強みを理解したうえで、成長の方向性を一緒に考えてもらえると嬉しい
- ・若手社員の話を聞くことで、入社後の自分の姿やキャリアをイメージできる
- ・形式的な説明だけでなく、評価を気にせず社員と本音で話せる機会があると安心できる
- ・同期との交流や、入社後の研修・教育体制について知る機会があると安心できる
- ・オンラインは気軽に参加しやすく、対面では職場の雰囲気を感じたり、より踏み込んだ話ができたりする
- ・自分の疑問や希望に対して、丁寧かつ迅速に対応してもらえると信頼できる
- 【不安や違和感につながる声】
- ・会社の良い面ばかりを説明されると、実際の仕事や職場の様子が分からない
- ・自分の考えや希望を十分に聞かず、一方的に判断されると不安になる
- ・入社への意思を繰り返し確認されたり、回答を急かされたりすると、プレッシャーを感じる
- ・その場で質問できなかったときに、後から相談する機会がないと不安になる
- ・仕事内容や配属、入社後の教育体制が分からないと、働く姿をイメージしにくい
- ・連絡が頻繁すぎたり、返信を急かされたりすると負担に感じる
- こうした期待や不安からも、学生が求めているのは、単に接点や情報量を増やすことだけではないと考えられます。
- 自分自身を理解しようとしてもらえること、仕事や将来の姿を具体的にイメージできること、そして疑問や不安を安心して伝えられること。
- こうした関わりを積み重ねることが、企業と内定者の信頼関係づくりにつながります。
■ 内定者の安心と相互理解につながる、具体的なフォロー方法
内定者との関係づくりには、さまざまな方法があります。重要なのは、イベントや連絡の回数を増やすことではなく、それぞれの取り組みに目的を持たせることです。
- ① 内定者同士の交流機会をつくる
- 懇談会やグループワークを通じて、同期となる仲間の人柄や考え方を知る機会を設けます。単なる自己紹介だけでなく、共通の課題について話し合うなど、自然にコミュニケーションが生まれる工夫も効果的です。また、参加者が過度に緊張せず、気軽に意見を交わせる雰囲気づくりにも配慮します。
- ② 若手・現場社員との接点を設ける
- 年次の近い社員との座談会や職場見学を通じて、仕事内容や職場の雰囲気への理解を深めます。仕事のやりがいだけでなく、入社当初に戸惑ったことや大変だった経験なども伝えることで、働く姿をより具体的にイメージできるようになります。企業側からの説明だけで終わらず、内定者が自由に質問できる時間を設けることも大切です。
- ③ 個別面談や相談の機会を設ける
- 入社に向けた疑問や不安を確認し、必要な情報を提供します。入社意思を確認することだけを目的とせず、本人の考えや希望に耳を傾ける姿勢が重要です。また、その場では質問が思い浮かばないこともあるため、後から気軽に相談できる窓口を用意しておくと安心につながります。
- ④ 適切なタイミングで情報を届ける
- 入社までの予定に加え、働き方や給与、配属、研修制度など、入社後の生活や仕事に関わる情報を段階的に共有します。特に、研修やOJTの内容、どのようなサポートを受けられるのかなどを具体的に伝えることで、働く姿をイメージしやすくなります。配属など未確定の事項についても、決定時期や今後の見通しを説明することが大切です。また、連絡手段や頻度についても、内定者の状況や希望に配慮します。
■ ベアラボが大切にする、体験と対話を通じた内定者研修
- ベアラボでは、内定者同士の交流や相互理解を目的とした、体験型の内定者研修にも対応しています。
- 入社前の研修では、企業の理念や仕事への心構えを伝えることも大切ですが、企業側からの一方的な説明が続くと、内定者が緊張したり、身構えたりすることもあります。
そこでベアラボが大切にしているのは、まずは安心して話せる雰囲気をつくることです。
- 例えば、自分の強みや思考特性(考え方の傾向)を知るワークや、グループディスカッションを通じて意見を出し合い、一つの結論を導き出す演習などを取り入れます。
- 同じ課題に取り組んでも、何を重視するか、どのように考え、意見を伝えるかは人によって異なります。こうした違いを体験することで、内定者同士が自然にコミュニケーションを取り、互いの強みや特徴を知るきっかけになります。
また、企業側にとっても、ワーク中の発言や行動から、一人ひとりの考え方や周囲との関わり方など、面接だけでは見えにくかった一面を知る機会となります。そこで得られた気づきは、入社後の育成や、一人ひとりに合わせた関わり方を考えるうえでも参考になります。
ベアラボでは、体験・対話・振り返りを通じて、自分自身や相手への理解を深めることを重視しています。内定者が安心して入社を迎えられるよう、企業と内定者が互いを知るきっかけとなる研修を目指しています。
■ 入社までの半年間を、相互理解と信頼を育む時間に
- 内定者フォローは、一度の内定式や懇親会で完結するものではありません。
- 内定者が企業や仕事への理解を深めると同時に、企業も一人ひとりの考え方や強みを知る。こうした双方向の関わりを積み重ねることが、安心して入社を迎えるための土台になります。
- ベアラボでは、これまでの採用支援や人材育成で培った経験を活かし、企業ごとの課題や状況に合わせた取り組みを大切にしています。
- 今後も、入社前の関係づくりから入社後の育成までを見据え、一人ひとりの強みを活かせる組織づくりを支援してまいります。
【出典】株式会社学情「27卒内定式調査」(2026年9月発表)