
教える側は、“関わり方”を学んできたのか― 新入社員研修だけでは埋まらない、育成現場の構造的課題 ―
- 株式会社ベアラボ(所在地:東京都新宿区、代表取締役:滝井順子)は、管理職・OJT担当者・現場リーダー層を対象とした研修を実施する中で、「人との関わり方を体系的に学ぶ機会が少ない」という実態が、多くの企業で見られることに着目しました。
- 企業では新入社員研修は実施されている一方で、その後の中堅社員・OJT担当者・管理職向けに、“人との関わり方”や“育成・コミュニケーション”について学ぶ機会が十分に設けられていないことも少なくありません。
- 当社では、こうした背景から、「教える側が関わり方を学ぶ機会の不足」に着目し、現場で起きている認識のズレやコミュニケーションエラーについて整理する研修を提供しています。
- ■ 背景
- 近年、多くの企業で、
- 「若手とのコミュニケーションが難しい」
- 「指導方法が分からない」
- 「ハラスメントを気にして注意しづらい」
- といった、“人との関わり方”に関する課題が増えています。
- その背景には、教える側自身も、体系的に「人との関わり方」や「育成」を学ぶ機会が少なかったという状況があります。
- また、こうした背景は企業規模に関係なく見られており、大手企業であっても、階層別研修やマネジメント研修を十分に受講しないまま、役職や立場だけが上がっている企業も少なくありません。
- さらに近年は、人材不足や採用強化の影響から、人事部門が採用活動や定着施策に注力する一方で、現場における育成やコミュニケーションが属人的になりやすい傾向もあります。
- そのため、実際には人事部主導だけではなく、現場の部門長や責任者が、現場課題への危機感から、研修導入を検討する動きも増えています。
- ■ 課題
- 現場における育成やコミュニケーションの課題は、個人の能力だけではなく、“学ぶ機会の不足”によって生まれている側面があります。
- 特に、
- 1.OJTや若手育成が個人の経験や感覚に頼り切った「個人任せ」になっている
- 2.指導方法やコミュニケーションが属人化し、「人によって言うことが違う」状態が起きている
- 3.同じ内容を伝えても、相手によって受け取り方や成長のペースが異なり、認識がズレる
- といった状況が重なることで、育成やコミュニケーションが個人の経験や感覚に依存し、コミュニケーションエラーが起きやすい状態につながっています。
- ■ 研修を通じて見えてきた実態
- 当社が実施する管理職・現場リーダー向け研修では、受講者から以下のような声が挙がっています。
- 【受講者の声】
- 「コミュニケーションを取れと言われるが、具体的な取り方が分からなかった」
- 「人との関わり方を体系的に学ぶ機会がほとんどなかった」
- 「外部研修を受ける機会自体が少なかった」
- 「育成する立場になったが、教え方を学ばないまま現場を任されている」
- 「対話を引き出す関わり方が難しい」
- 「人を見ることが苦手だと感じている」
- また、
- 「自分も“背中を見て覚えろ”という環境で育ってきたため、教え方が感覚的になってしまう」
- 「役職は上がったが、人との関わり方や育成について学ぶ機会がなかった」
- という声も見られます。
- こうした声から、“教える側”自身も、体系的に学ぶ機会が少ないまま育成を担っている実態が浮き彫りになっています。
- ■ 研修概要
- 本研修では、管理職・OJT担当者・現場リーダー層を対象に、「人との関わり方」や「育成」がなぜ難しくなるのかを整理し、現場でのコミュニケーション改善につなげます。
- 具体的には、
- ・関わり方の可視化
- 自分のコミュニケーション傾向や、相手との認識の違いを整理します。
- ・育成・対話の基礎理解
- 「教える」「伝える」「聴く」といった関わり方について整理し、対話を引き出すコミュニケーションを学びます。
- ・認識のズレへの理解
- 相手によって受け取り方や理解の仕方が異なることを整理し、一方的な伝え方にならないコミュニケーションを考えます。
- ・目的・ビジョン共有の重要性
- 業務の背景や目的、組織として目指す方向性を共有し、「何のためにこの仕事をするのか」を伝える重要性について整理します。
- これらを、体験型ワークやディスカッションを通じて実践的に理解し、現場で活用できる形へ落とし込みます。
- ■ 研修を通じて期待される変化
- 実際に受講した方からは、
- 「初めて知る視点が多く、良い機会になった」
- 「今後も継続して学びたい」
- 「感覚で行っていたコミュニケーションを整理できた」
- といった声が寄せられています。
- また、教える側の意識や関わり方が変わることで、現場に「共通の言語と判断基準」が生まれ、「人によって言うことが違う」といった属人的な指導やコミュニケーションエラーの改善にもつながっています。
- その結果、教える側・教わる側の双方が安心して力を発揮しやすい職場環境づくりを促します。
- ■ 考察
- 近年、「若手とのコミュニケーションが難しい」「育成がうまくいかない」といった現場の課題が注目されていますが、その背景には“教える側も関わり方を学ぶ機会が少なかった”という構造的な問題があります。
- これまで、職場における人との関わり方やコミュニケーションは、個人の「感覚」や「経験」に委ねられることが多く、体系的に学ぶ機会がないまま現場の育成を担うケースが少なくありませんでした。そのため、指導方法が必然的に「背中を見て覚える」「自分の成功体験を踏襲する」といったスタイルになりやすく、関わり方の属人化を招く大きな要因となっています。
- しかし、働き方や価値観が多様化した現代においては、従来の「言わなくても分かる」「見て学ぶ」といった阿吽の呼吸を前提とした関わり方では、認識のズレやコミュニケーションエラーを未然に防ぐことが難しくなっています。
- この状況を「最近の若手は…」という世代論や個人のセンスで片付けていては、根本的な解決には至りません。今求められているのは、育成を「個人の経験や感覚」に頼るのをやめ、組織全体で“関わり方”や“育成”を体系的に学び直すことです。
- ■ 今後の展開
- ベアラボでは、育成やコミュニケーションの課題を「個人のセンスや経験」の問題として片付けるのではなく、組織全体で学び、共有していくテーマとして捉えています。
- 今後は、コミュニケーション研修やチームビルディング研修、OJTトレーナー育成研修などを通じて、「教える」「伝える」「関わる」を学び直す機会を提供し、世代や立場を越えて対話できる職場づくりを支援してまいります。