
日本企業のエンゲージメントはなぜ高まらないのか-現場で見えてきた、エンゲージメント向上を阻む4つの組織課題-
- 株式会社ベアラボ(所在地:東京都新宿区、代表取締役:滝井順子)は、管理職研修やコミュニケーション研修、チームビルディング研修を通じて、さまざまな業界・業種の組織づくりを支援しています。
- 近年、多くの企業がエンゲージメント向上を重要課題として掲げています。
- しかし、米Gallup社の「State of the Global Workplace 2023 Report」によると、日本で「熱意あふれる社員(Engaged Employee)」の割合はわずか6%であり、調査対象国の中でも最低水準となっています。
- 評価制度の見直しや福利厚生の充実、働き方改革などさまざまな取り組みが進められている一方で、なぜエンゲージメントは思うように高まらないのでしょうか。
- ■背景
- 近年、人材不足や離職率の上昇、若手社員の定着、管理職不足など、多くの企業が組織運営に関する課題を抱えています。
- その中で注目されているのが「エンゲージメント」です。
- エンゲージメントとは、単なる会社への満足度ではありません。
- 会社の理念や方向性に共感し、
- 「この会社を良くしたい」
- 「このチームに貢献したい」
- 「自分の力を発揮したい」
- という意欲を持ちながら働いている状態を指します。
- 言い換えれば、会社やチーム、自分の仕事に対して愛着や誇りを持ち、自ら関わろうとする状態とも言えます。
- しかし現場では、
- 「指示されたことはやるが主体性が生まれない」
- 「上司の考えが分からない」
- 「相談しづらい」
- 「意見を言っても聞いてもらえない」
- 「一人で抱え込んでしまう」
- といった声も少なくありません。
- ■課題
- これまでさまざまな企業で研修を実施する中で、エンゲージメントが高まりにくい要因はさまざまあると感じています。
- その中でも、組織内のコミュニケーションや関係性に起因する課題は、エンゲージメントに大きな影響を与えていると考えています。
- ベアラボでは、特に次の4つの要因が重要であると感じています。
- 1.目的やビジョンが見えていない
- 多くの社員は、「何をするか」は理解しています。
- しかし、「なぜそれをするのか」「その仕事が組織のどんな目的につながっているのか」まで共有されているとは限りません。
- 目的やビジョンが見えない状態では、仕事は単なる作業になりやすく、自分の仕事の価値や意味を実感しにくくなります。
- 2.自分の強みが活かされていない
- 人は、自分の得意なことや強みを活かせているときにやりがいや達成感を感じやすくなります。
- 一方で、
- 「自分の強みが分からない」
- 「得意なことを活かせていない」
- 「自分らしい貢献ができていない」
- という状態では、仕事への意欲も低下しやすくなります。
- 3.対話が不足している
- 研修やヒアリングの中では、
- 「上司が忙しく話をする時間がない」
- 「相談しづらい雰囲気がある」
- 「上司との会話が少なく考えが分からない」
- といった声も聞かれます。
- 日常的な対話が不足すると、お互いの考えや状況が見えなくなり、信頼関係も築きにくくなります。
- 4.声を上げても変わらないと思っている
- 現場では、
- 「意見を言っても聞いてもらえない」
- 「相談しても十分に取り合ってもらえない」
- という声も見られます。
- その結果、次第に発言や提案をしなくなり、組織とのつながりを失っていくケースもあります。
- エンゲージメントの低下は、突然起きるものではなく、こうした小さな諦めの積み重ねから始まるのかもしれません。
- ■研修概要
- ベアラボでは、コミュニケーション、リーダーシップ、チームビルディング、思考特性、マネジメントなどをテーマにした研修を実施しています。
- 研修では講義だけではなく、ゲームやグループワーク、ディスカッションを通じて、
- ・目的共有の重要性
- ・情報共有の難しさ
- ・思考特性による判断や行動の違い
- ・チーム内の役割の違い
- ・コミュニケーションの重要性
- などを体験的に学ぶ機会を設けています。
- 実際の演習では、発言のしやすさや情報共有の仕方、役割の偏りなどが自然に表れます。その体験を振り返ることで、日常業務のコミュニケーションやチーム運営について考える機会を提供しています。
- ■受講者の声
- 研修後の振り返りでは、受講者から次のような声が寄せられました。
- 「仕事は一人ではなく、チーム力が必要だと気づいた」
- 「思考特性の全タイプの人が協力しているから仕事が成り立っていると感じた」
- 「目的やビジョンを共有することの重要性に気づいた」
- 「自分とは違う意見に説得力があり、他者に相談することの大切さを感じた」
- 「上司との意見共有やビジョン確認を意識したい」
- 「コミュニケーションが足りないなら自分から取りに行きたい」
- また、
- 「上司に言われた仕事をこなしている感覚があり、もっと主体性を持ちたい」
- 「合わないと感じていた人も、自分にはない特性を持つ存在だと考えたい」
- 「意見やアイデアを積極的に発信する人、整理と実行をする人など、それぞれの役割を果たすことで仕事はうまく回ると感じた」
- といった声も見られ、自分自身の役割や他者との関わり方を見直すきっかけとなっていることがうかがえます。
- ■考察
- 今回の研修や受講者の声から見えてきたのは、エンゲージメントは制度だけで生まれるものではないということです。
- 評価制度や待遇改善も重要ですが、
- ・自分の仕事の意味が分かること
- ・自分の強みを活かせること
- ・安心して相談できること
- ・自分の意見や存在が尊重されていると感じられること
- ・自分が組織の一員として必要とされていると実感できること
- こうした積み重ねが、
- 「この会社を良くしたい」
- 「このチームに貢献したい」
- という気持ちにつながるのではないでしょうか。
- エンゲージメントとは、自分の仕事の意味を理解し、自分の強みを発揮しながら組織に貢献している実感を持てる状態です。
- そして、その積み重ねが会社やチームへの愛着や誇りを育み、結果として会社やチームのファンを増やしていくのではないでしょうか。
- ■今後の展望
- ベアラボでは、エンゲージメントを単なる満足度ではなく、「組織と個人が同じ方向を向き、自ら力を発揮しようとする状態」と捉えています。
- 今後も、コミュニケーション、チームビルディング、思考特性、マネジメントなどを通じて、人材力・組織力・関係力の向上を支援し、働く人が力を発揮できる組織づくりに取り組んでまいります。