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職場の何気ない一言から考えるコンプライアンス

「最近痩せた?いい感じだね」どう考える?職場の何気ない一言から考えるコンプライアンス

職場で、同僚や部下の変化に気づいて声をかけることがあります。

  • 「髪切った?」
  • 「最近元気そうだね」
  • 「痩せた?いい感じだね」
  • どれも、相手を気にかけたり、褒めたりする気持ちから出る何気ない一言かもしれません。
  • しかし、こちらに悪意がなくても、相手が同じように受け取るとは限りません。
  • 今回は、実際にあった事例をもとに、職場での声かけについて考えてみたいと思います。

■「最近痩せた?いい感じだね」どこに注意する?

  • ある職場で、同僚に笑顔で、
  • 「最近痩せた?いい感じだね」
  • と声をかけました。
  • 相手もその場では笑っていましたが、後になって「少し不快だった」と感じていたことが分かりました。
  • 声をかけた本人に悪気はなく、むしろ褒めたつもりだったのだと思います。
  • では、この一言のどこに注意が必要だったのでしょうか。
  • ポイントは、「最近痩せた?」と「いい感じだね」を分けて考えることです。

■「気づき」と「評価」は別もの

  • 「最近痩せた?」は、相手の変化への気づきです。
  • 一方、「いい感じだね」には、「痩せたことは良いこと」という、こちら側の評価が含まれています。
  • なぜ痩せたのかは、本人に聞いてみなければ分かりません。
  • ダイエットを頑張った結果かもしれませんし、体調を崩していたのかもしれません。
  • 先に「いい感じだね」と評価してしまうと、「実は体調が悪くて……」とは言い出しにくくなることもあります。
  • だからといって、変化に気づいても何も言わない方がいい、ということではありません。
  • 大切なのは、気づいたことと、自分の評価を分けることです。

■まずは、相手にボールを渡す

  • ベアラボでは、変化に気づいたときの関わり方を、4つのステップで考えています。
  • まず変化に気づく。評価を加えずに聞く。そして、相手の反応を待つ。本人がその変化をどう捉えているのかが分かってから、その話に乗る。

  • たとえば、「少し痩せたように見えたけど、体調は大丈夫?」と聞いてみる。
  • 「ダイエットを頑張ったんです」と返ってきたら、「そうだったんだ、頑張ったんだね」。
  • 「実は少し体調を崩していて」と返ってきたら、かける言葉は変わります。

  • 先にこちらで決めず、いったん相手にボールを渡す。
  • このワンクッションが大切です。
  • ■「何も言わない方が安全」になっていませんか?

  • コンプライアンスやハラスメントの研修では、
  • 「今は何を言っても問題になりそう」
    「だったら、何も言わない方が安全ですよね」
  • という声を聞くことがあります。

  • しかし、何も言わないことが正解になってしまうと、職場のコミュニケーションそのものが減ってしまいます。
  • 大切なのは、「これはOK」「これはNG」という言葉だけを覚えることではありません。

  • なぜ問題になる可能性があるのか。では、どう関わればよいのか。

  • ベアラボの研修では、実際に起こり得る事例を使いながら、「自分だったらどうする?」「自分たちの職場ではどう考える?」と参加者同士で考えていただきます。
  • 同じ事例でも、人によって判断が違うことがあります。その違いを知り、対話しながら共通理解をつくり、日常の行動につなげていくことを大切にしています。
  • ■「言えない職場」ではなく、「言い直せる職場」へ

  • 良かれと思ってかけた言葉が、思っていたのとは違う形で相手に伝わることは、誰にでもあります。
  • だからこそ、「間違えないように何も言わない」のではなく、相手の反応を見ながら関わり、違っていたら言い直せることも大切ではないでしょうか。

  • コンプライアンスを「してはいけないこと」だけで捉えるのではなく、「どうすればより良いコミュニケーションが取れるのか」を職場で考える。
  • そんな機会をつくることが、日々のコミュニケーションや職場づくりにつながっていくと考えています。